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酢酸ナトリウムの効果

酢酸ナトリウムとは

酢酸ナトリウムは、お酢の成分の「酢酸」と塩の成分の「ナトリウム」からできている物質です。
酢酸Naと標記されることもあり、日持ち向上目的等で古くから世界中で使用されている食品添加物です。

日持ち向上になぜ酢酸ナトリウムなのか

経験的にお酢が日持ち向上に役立つことは、よく知られています。
しかし、なぜ役立つかは意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
また、実際の食品加工に「お酢」ではなく「酢酸ナトリウム」が使用されるのはなぜでしょうか。

なぜ「お酢」ではないのか

お酢を食品に添加した場合、その「酸っぱさ」が目立ってしまい、好ましくない味になってしまいます。
一方、酢酸ナトリウムは弱アルカリ性なのでそこまで酸っぱさは感じません。
実際の日持ち向上剤には、酸っぱさを感じにくい有機酸等を入れpHを下げ、酢酸ナトリウムの効果を最大限に引き出しています。

なぜ「酢酸ナトリウム」なのか

なぜ他の有機酸ではなく、酢酸ナトリウムなのでしょうか。
下の図は一般的な有機酸がどのぐらい微生物制御に効くかを表しています。
酢酸は他の有機酸と比べて、添加量が少なく幅広い微生物の生育を抑制することがわかります。

pH5.0における細菌に対する有機酸類の完全生育阻止濃度(MIC)(%)

微生物内での酢酸のはたらき

食品に日持ち向上剤を入れた場合を図に表します。
日持ち向上剤を添加した食品のpHが3.5(菌外)、菌内のpHが5.5の場合で考えてみます。

菌外での反応

日持ち向上剤中の酢酸ナトリウムの「酢酸イオン」と有機酸の「水素イオン」がくっつき、「酢酸分子」となります。
菌外はpHが3.5なので90%がこの「酢酸分子」形になります。

菌の細胞膜は「酢酸イオン」は通さず、「酢酸分子」のみを通す構造になっています。

「酢酸分子」は徐々に菌内に透過していきます。

菌内での反応

①菌内に透過した「酢酸分子」はそれ自体が抗菌効果を示します。

②菌内のpHは5.5なので「酢酸イオン」と「水素イオン」が90%になり、「水素イオン」の効果でpHが下がります。
pHが下がると菌の生育抑制になります。

③菌内の「水素イオン」を外に出すことで、菌にとって劣悪な環境を改善しようとしますが、このとき菌はエネルギーを使ってしまいます。
そのうちエネルギーが枯渇し、またしても生育が抑制されてしまいます。
《出典》
Inhibitory Activity of Organic Acids on Food Spoilage Bacteria/Yasushi Yamamoto
Bacterial Behavior and Control under Acidic Condition/Nobuhiro Sashihara
Written by Kiyoshi Nishimoto
 
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