緑色野菜の変色・退色防止
該当業種・ニーズ
業種
- 農産加工
- 製菓製パン
- 冷凍食品
- 惣菜
- お弁当
- 漬物
ニーズ
- よもぎ団子の緑色の退色を抑えたい
- 蛍光灯下の陳列時に変色を防止したい
- 野菜の鮮やかな色を維持したい
- インゲン、オクラ、ほうれん草などの緑色野菜の色止めをしたい
退色・変色の原因 → 『クロロフィル』の変化
酸、光、熱によりクロロフィルが変化し、変色が起こります。
クロロフィルとは
クロロフィルは葉緑素とも呼ばれる色素で、植物が生命維持活動に必要な光合成に重要な役割を担っています。
クロロフィルの構造は環状となっており中心部にマグネシウムが配位しています。
このクロロフィルは、調理時の様々な条件に影響を受けます。
影響を受けると、クロロフィルに配位するマグネシウムが離脱して変色が起こります。
この変化した物質をフェオフィチンといい、黄褐緑色をしており、退色の原因となります。
条件①:pH
酸性域のpH5 以下で加熱するとフェオフィチン化が進み、退色します。
一方で、アルカリ域で処理するとクロロフィリンになり鮮緑色
になります。
条件②:光
クロロフィルは光、特に300nm以下の紫外線に弱く、時間経過とともに徐々にフェオフィチンになり退色します。
条件③:熱
クロロフィルは熱に弱く、マグネシウムが外れ、水素と置換することでフェオフィチンになります。
緑色野菜のボイル後にすぐに水で冷却する理由は熱による変化を止めるためです。
対策
対策①:pHコントロール
pH5以下にならないように調整します。
pHの変動を抑えるために数種類の添加物でコントロールします。
対策②:抗酸化物質の添加
光によって発生したフリーラジカルを抑えるために酸化防止剤を添加します。
一般的なビタミンCやクロロフィルに特に効果のあるα-リボ酸を用います。
対策③:短時間加熱&冷却
加熱時間が長くなると徐々に退色するので、必要最低限の時間で加熱します。
加熱後は即座に冷却します。
クロロフィルを安定化するために、銅イオンを加える方法がありますが、食品工場では現実的な方法ではありません。
実際に使える方法として、マグネシウムイオン添加の効果が確認されております。
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使う資材は1つだけ
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《出典》
Effects of light on decomposition of chlorophyll in green leaves/Yoshie Seto
クロロフィルの色調に及ぼす加熱とpHの影響/吉田優子 他